高齢者特有の病気で、欧米では成人の失明原因の第1位ともなっている加齢黄斑変性症。当院は県内でいち早くこの病気の治療に取り組んでいます。
視界の中心部がゆがんだり、暗く見える、また急に視力が落ちたなどの症状がありましたら加齢黄斑変性症の疑いがあります。できるだけ早く受診ください。

 

加齢黄斑変性症とは?

加齢黄斑変性症とは加齢によって目の網膜の一部の黄斑という部分に異常がおこり、視力低下や視野への障害がおこる病気です。高齢者の失明原因のひとつです。
ものの形を判別したり、色を識別する細胞のほとんどは黄斑にあります。そのため黄斑に異常がおこった場合、視野の中心が暗く見えたり、歪んで見えたりします。

加齢黄斑変性症には大きく分けて2つタイプがあります。

タイプ1:滲出型加齢黄斑変性

滲出型(しんしゅつがた)加齢黄斑変性では、健康な状態では見られない新生血管という異常な血管が発生し、それが網膜まで伸びてきて黄斑部に障害を与えます。
新生血管は正常な血管ではないため、血液の成分が漏れやすく、破れやすい性質をもっています。血液成分が漏れたり、出血すると網膜が腫れたり、網膜下に液体成分や血液が溜まります。そのために網膜に異常をきたし、視力が低下します。
このタイプの症状としては、急激な視力低下や中心暗点が多く、放っておくと視力が失われる可能性がありますので早めに検査を受けてください。

タイプ2:萎縮型加齢黄斑変性

萎縮型(いしゅくがた)加齢黄斑変性では、加齢によって網膜色素上皮細胞が萎縮したり、その下にたまった老廃物によって黄斑部に障害がおきます。
この場合、進行は緩やかで、視力はあまり悪くなりません。しかし新生血管が発生することもあるので定期的な検査が必要です。

 

加齢黄斑変性症の症状

(1)変視症

ものがゆがんで見えます。

加齢黄斑変性症 視力低下の症状例

 

(2)中心暗点

 

加齢黄斑変性症 視力低下の症状例

 

(3)視力低下

 

加齢黄斑変性症 視力低下の症状例

 

加齢黄斑変性症の検査

加齢黄斑変性症の検査では視力検査はもちろん、下記のような検査を行います。

眼底検査

細隙灯顕微鏡(さいげきとうけんびきょう)などで眼底に細く強い光を当てて網膜の状態を調べます。

蛍光眼底造影

蛍光眼底造影(けいこうがんていぞうえい)とは、蛍光色素を含んだ造影剤を腕の静脈から注射し、眼底カメラで調べる検査です。新生血管が発生しているか、また新生血管から血液などが漏れていないか調べることができます。

網膜断層検査

網膜断層検査(もうまくだんそうけんさ)は光干渉断層計(OCT)という機器を用いることで造影剤を注射することなく網膜の断面の状態を詳しく調べることができる検査です。

加齢黄斑変性症の検査では視力検査はもちろん、下記のような検査を行います。

 

加齢黄斑変性症の治療

(1)光線力学的療法

光が当たると化学反応を起こす薬剤(光感受性物質)を注射し、網膜にレーザー光線を照射します。レーザー光線は異常のある部位にだけにしか反応しないため安全です。

(2)投薬治療

新生血管を小さくする薬を眼のなかに注射するものです。

 

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